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米国ユニコーン企業「23andMe」の遺伝子検査を体験。子どもの遺伝子検査はいいの?

米国ユニコーン企業「23andMe」の遺伝子検査を体験。子どもの遺伝子検査はいいの?
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この記事をザックリまとめると…
  • ユニコーン企業23andMeの遺伝子検査キットを試してみた。利用方法とどういう情報が分かるのかを紹介する。
  • D2C (消費者直送型) の遺伝子検査キットでFDAから許可を得ているのは23andMeのみ。
  • 遺伝子検査が身近になってきている反面、子どものための利用などは慎重に行うべきだと考える。

私たち夫婦の遺伝子を受け継ぐ子どもが産まれて、私たち自身の遺伝子はそれぞれ親からどんなものを受け継いでいるのだろうかという話になり、夫婦で遺伝子検査をやってみました。ちょうど安くなっていたタイミングを利用し、23andMeを利用しました。

23andMeの創設者の一人はGoogle創業者のセルゲイ・ブリン氏の妻であるアン・ウォイッキ氏。同社はGoogleにも多額の出資を受けており、ユニコーン企業と呼ばれる評価額が10億ドル以上の未上場のスタートアップです。23andMeは2013年に判定結果に至る精度の不十分さからFDA (アメリカ食品医薬品局、Food and Drug Administrationの略) から販売停止命令が下るなど一時事業継続が危うくなっていましたが、今ではD2C の遺伝子試験において唯一FDAからの許可を有する会社となっています。(参考:23andMeBlogFDA

 

23andMeを購入すると、自宅にキットが届く。

 

彼らの提供しているサービスには二種類あり、自分のルーツがどこにあるのか先祖の分布を教えてくれるサービスが通常$99。そしてデラックス版として、先祖の情報にプラスして、健康面や身体的特徴として遺伝的に受け継いでいるものを教えてくれるサービスが通常$199。私たちはデラックス版を購入しました。(※このリンクから飛ぶと、通常価格の最低10%offで購入できるそうです。私にも紹介メリットが少しあるそうな。)

 

使い方は簡単。23andMeからボックスが送られてきて、同梱されている試験管の番号をオンラインで登録し、唾液を集めて送り返すだけ。10日ほどで結果が見られるようになります。結果はウェブで見るもよし、専用のアプリをダウンロードしてそこから詳細を見るもよし。

 

唾液を採取したら、後は指示通りに梱包してポストに投函するだけ。

 

私はアプリを利用しています。それぞれのカテゴリーを読む前に概要を正しく理解するためのインストラクションページを読むように誘導されたり、それぞれの項目においても重要な部分を太字表記する、レイアウトを多用されて難しい病気や遺伝学についての説明が分かりやすく解説されています。消費者側の誤解のない正しい理解を促すような作りになっていて、分かりやすいです。正確さ、信頼性、そして消費者に正しく理解されること。この3点がFDAからの承認を得る過程でも重要かつ難しかったそうですが、23andMeによると実際ユーザーの90%以上がそれぞれのレポートの中の重要なコンセプトを正しく理解できている作りになっているそう。

 

アプリの例:Carrier Status Reportsを初めて読む場合、まず説明ページに案内される (画面左)。テスト結果ではリスクの有無を誤解の無いようにしっかり表記されていて (中央)、項目区分も分かりやすく、より詳細情報を知りたい場合の情報ソースの提供も行なっている (右)。

 

遺伝子検査からわかったこと

カテゴリとしては大きく「先祖について」と「健康」。そしてこの健康カテゴリの中では「遺伝子のキャリア」「遺伝的健康リスク」「身体的特徴」「健康面での特徴」と4つの内容が分かるようになっています。それぞれ、所々に私のレポート結果も合わせ、実際に詳細を紹介します。

 

23andMeアプリのスクリーンショットより、”Health”区分での項目。

 

世界中にまたがる可能性のある自分のルーツ

自分のルーツがどこにあるのか。分布としては97.7%日本人、2.0%朝鮮人、0.3%日本・朝鮮、0.1%東アジア・ネイティブアメリカンとの分布でした。5-8世代ほど遡ると朝鮮人の先祖がいるそうです。
アメリカは人種のるつぼと言われるだけあって、自分のルーツを辿れば全く知らなかったところの先祖の血を引き継いでいるなど面白い結果が出るのでしょうが、この点においては夫や周りで既に利用している日本人の友人も同じような結果で、個人的感想としてはあまり面白味はありませんでした。

 

23andMeアプリの先祖についての項目。概要(左)、国の構成の詳細(中央)、何世代遡るのか(右)が記されている。

 

特定の病気に関する遺伝子のキャリアがどうか

自分がその病気にならなかったとしても、劣性遺伝で自分の子どもがその病気を発症するリスクがあるものについても報告されます。現時点では44項目。これらの病名はすべて目を通して見たものの、家族性地中海熱、ARSACS、脳梁欠損症、多発性嚢胞腎、カナバン病など初めて耳にする病気ばかりでした。

 

この点においては異常は見つかったらなかったようなので安心しましたが、もし該当する箇所があった場合には子どもが発症する可能性があると分かっているだけでも備えあれば憂いなしかと。もし万が一子どもに異変が起きた時にも、病気を的確に推測して医療機関とともに早期に対処することができる可能性があるのですから。

 

遺伝的健康リスク

加齢黄斑変性 (失明の主な原因)、遅発性アルツハイマー病、α1-アンチトリプシン欠乏症、BRCA1/2 (乳がんを起こしうる遺伝子異常)、セリアック病 (小麦などに含まれるグルテンに対する免疫反応が引き金になって起こる)、グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症、ヘモクロマトーシス (鉄代謝異常)、先天性血栓性素因、パーキンソン病。現時点ではこれらの8種類の病気に関して、遺伝的リスクがあるのかどうかの判定をしてくれます。

 

勿論、すべてリスクが無いという回答を期待していましたが、私自身すべてに関してネガティブという回答があったわけではありません。ただ、それがあるからといって必ずしも発病するわけではない点、それぞれの病気に対して、講じられる対策に関して説明があります。どういった生活習慣が実際にその病気を発病する可能性があるかというリスク要因を分かりやすく説明してくれている為、今後の生活を長い目で見て自制する為にも個人的には知っておけてよかったと思います。

 

身体的特徴

目の色、髪の色、髪質、えくぼがあるか、顎が割れてるか、人差し指と薬指どちらが長いか、富士額かなどの見た目以外にも、音楽リズムに合わせられるか、高いところが怖いか、苦味を感じやすいか、蚊に刺されやすいかなど、遺伝子でこんなところまで決まっているのかというような項目がずらりと並びます。遺伝子から見えることと事実とはほぼマッチしていましたが、いくつかの項目で違う点もありました。それぞれ詳細を読むと、遺伝子の何箇所を見て、統計的に判断しているとの内容があり、判定が間違っていた項目は同じ遺伝子構成だった人たちの中での身体的特徴の現れ方がほぼ50%に近いという共通点がありました。

 

身体的特徴との差があった項目の1つ、エクボの有無。エクボは出るのだが、診断結果では「エクボは無い傾向にある」との表記。詳細を見ると、私と同様の遺伝子結果の人達の中での分布がほぼ50%に近いということが理解できる。

 

ここで面白いと思ったのは起床時間が言い当てられていること。私と同じ遺伝子を持つ同年代の人たちは、休日は平均で8時35分に起床しているそう。朝型、夜型、というのにまで遺伝子が関連しているらしく、この起床時間を当てる為に450箇所ものDNAをチェックしたそう。そして、遺伝子から読み解くと、私は完全に夜型人間なのだとか。夜型か朝型かは、長年の生活習慣によるものかと思っており、常々朝型に移行したいと思い続けてきましたが、遺伝子結果にそう判定されてしまうと、朝早起きするよりも夜にタスク処理をする今の生活が理にかなっている気がしてきました。

 

起床時間について。同じ遺伝子を持つ同年代の休日の平均起床時間が言い当てられ(左)、同じ遺伝子構成でも年代によって起床時間が異なるのが確認できる(中央:20代、右:60代)。

 

食事、運動、睡眠など健康面での特徴

飽和脂肪酸への反応、体重、アルコールへの反応、乳糖不耐症、カフェイン摂取、眠りの深さ、筋肉構成、寝相という8項目についての分析がなされています。この中で私が目を止めた2点が乳糖不耐症と筋肉構成について。

 

まずは乳糖不耐症。ほとんどの人は産まれながらに乳製品を消化する機能をもっているけど、年とともにその機能を失っていくそうです。私たちは夫婦ともに乳糖不耐症になりうる、という判定が出ました。アジア人には多いそうです。一度乳糖不耐症になると、乳製品を摂取するとお腹が張ったり、下痢をするなどの反応が生じるようになるとか。その結果を受けて、思い切って牛乳の購入をやめることにし、我が家ではここ数ヶ月、豆乳が牛乳の代替となっています。

 

乳糖不耐性についての説明。自分がどうなのか、食べ物への乳糖含有量、成長に合わせた変化など分かりやすく表記されている。

 

その他、牛乳を控える決断の背中を押した書物たち。家族の健康を担う身として読んでみましたが、個人的にはどちらも参考になり、面白く感じました。

 

そして、筋肉構成について。短距離走者と長距離走者とでは筋肉構成や能力が異なっていますが、それらは日々のトレーニングに加え、遺伝的要因も影響しているそう。23andMeの判定としては、私の遺伝的筋肉構成は、スプリンター、投手、跳躍選手などの精鋭パワーアスリートのそれと同じ。これは私のDNAの速筋繊維を元に判断しているそうです。

 

筋肉構成についての説明。速筋遅筋線維の情報や、遺伝的要素が実際どのくらい作用するかなど分かりやすく記載されている。

 

とはいえ、より詳細に読み進めると、これらの遺伝的な違いというのは、筋肉パフォーマンスのうち2-3%くらいの差を説明するにすぎないとの記載が。大きな要因はやはりトレーニングだそう。この結果を完全に鵜呑みにして、その遺伝子を受け継ぐ子どもの習い事を決める、という程度には使えないようです。

 

遺伝子検査についての考察

知らされる項目の多くが結果としてはただ好奇心をそそるだけの内容でしたが、個人的には23andMeを受けてよかったと思っています。病気について考え、将来病気にならないように普段からの生活習慣を見つめ直すきっかけになったため。私のみならず、これらの遺伝子を50%の確率で子どもにも伝承していると思うと、しっかりと日々の生活習慣を良いものにすべきだと身が引き締まる思いです。また、自分の体は遺伝子的にこういうものなのか、という好奇心が満たされたこと、そしてただの唾液から採取した遺伝子でこんな情報まで分かるんだという科学技術の進歩を実感できたのも面白かったです。

 

子どもの遺伝子検査はよいのか

インターネットで「遺伝子検査」とサーチしてみただけでも、世界中で様々な企業がD2Cでの遺伝子検査を手掛けているのが分かります。遺伝子検査が手の届く価格でマーケットに出回るようになるに従って、子どもの能力や病気の可能性を早期に遺伝子から読み解こうとするビジネスも出てきています。ただ、子どもの能力判定においては、どういうデータを元にそのような判定に至っているのかを正しく理解しておかないと、筋肉構成のように遺伝子から読み取れるわずかな差を鵜呑みにして子どもの将来を決定していくと子どもの可能性を逆に狭めていくことにもなるのではないかと心配になります。

 

また、遺伝子というのはそもそも一生変わらない個人にとって最大の個人情報です。実際、その究極のプライバシー情報をすべてを理解した上で判断できる年齢に達していない子どもの代わりに親が勝手に入手することに対する倫理的な側面や、その検査機関の信頼性、裏側でそれらの遺伝子情報が第三機関へ売買されている点を危険視する声もあり (参考:Washington Post)、利用に際しては慎重に判断するべきだと考えます。

 

遺伝子検査に使いやすいアプリが利用できるのは、さすがはシリコンバレー生まれのユニコーン企業。アメリカ国内のみで有効ですが、もし試してみたいという方がいらっしゃったら最低でも10%オフの割引で利用できるこのリンクからどうぞ
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