時短育児ならBabyful

書評★★★★★『愛に生きる』鈴木鎮一

書評★★★★★『愛に生きる』鈴木鎮一
Pocket

親になってから本を読む機会がとても増え、読んだ本の中で度々鈴木氏についての言及を目にしたので、気になって読んでみました。いくつもの場面で共感し、感銘を受けました。「人として豊かになってほしい」というのは世界中の親が子に対して願うことではないでしょうか。それを音楽、ヴァイオリン、というツールで体現したのが鈴木氏です。

 

結論から言うと、この本をどのように捉えるのかは人それぞれだと思いますが、親や学校での教師を含め、子どもを育てることに関わる全ての人に読んでもらいたい本だと思いました。


 
 

 

多くの世界的なヴァイオリニストを育てた「スズキメソード」を考案した鈴木鎮一氏による愛に満ちた教育論を収録した名著。

 

「才能は天賦のものではなく、育てられるもの」という強固な信念を持った鈴木氏は、子育てに有益な至言を数多く残しています。

 

鈴木氏の思想は、”才能は生まれつきではなく、どの子も、育て方次第でよく育つ可能性を持っており、より早い時期、より良い環境が大切”というものです。

 

「環境にないものは育たない」。当たり前すぎて、自分の子どもと他の子ども達とを比べた時に、つい見落としがちなところではないかと思います。子どもがどう育つかというのは親の関わり方次第、ということで、身が引き締まる思いです。

 

正しい方法による、より多くの訓練

この本の中で基本的に述べられていることはとてもシンプルで、「思ったら行動する」「やり始めたら、続ける・極める」ということです。

 

鈴木氏は、幼ければ幼いほど吸収も早く、才能もどんどん伸びる、という理論を掲げています。その指導方法にとても感心しました。

 

まず、「思ったら行動する」ということに関しては、ヴァイオリンを習うにしても、子どもが自発的にやりたいと言うようになるまで、教室でもヴァイオリンの指導をしないということです。まずは親が弾けるようになるまで練習し、教室では同じ世代の子が楽しそうに弾いているのを見せるだけ。そうして、子どもの意欲を掻き立てる環境を設けます。本人が自分から「やりたい!」となって始めて、子どもはヴァイオリンを習うことのスタートラインに立つことができます。

 

「やり始めたら、続ける・極める」に関しては、一曲弾けるようになると、また新しい曲へ移る、というのが一般的な指導法だと思います。しかし、彼の練習法では、一曲弾けるようになってからが真のレッスンです。一流の演奏家が弾いた曲を流し、繰り返し聴かせ、その音に近づくように引き込みをさせるのです。そして上級の子たちに混じって一緒に合奏することで大きな喜びを感じる場の提供も忘れません。

 

物事の上手さとは正しい方法で、いかに多くの訓練を積んだか。その賜物であり、それがよりすぐれた能力へと繋がっていきます。私たちはこの訓練の頻度という点を、つい見落として、成果が出なかった時「せっかくやらせたのに、この子には才能がなかった」と諦めて締めくくってしまっているようにも思います。

 


ここからは私の過去を踏まえてのただの感想文なのですが…

私も、前者の一般的な指導の下に、3歳から15年間、エレクトーンを習っていました。でも、今エレクトーンを目の前にして、楽譜もなしに立派に弾きこなせる曲は一曲もないと思います。少し楽譜を与えられて練習したならば当時の半分くらいの上手さで弾けるものはあるかもしれませんが、残念ながらきっとそんなものです。

 

15年間も決して安くはないレッスン費を払い続けてもらっていたことを思うと心苦しいのですが、これから我が子向けに楽しく弾いて、音楽の楽しさは伝えてあげたいなとは思っています。笑

 

当時を思い返すと、同じ曲を私のものとするくらいに引き込んだのはコンクールの前くらいで、それもコンクールが終わったらピタッと弾くのをやめる始末。教えてもらっていた先生の演奏をレッスン中に聴く以外では、一流の演奏を繰り返し聴いた記憶もありません。

 

自分の中で、このくらい弾ければ大丈夫というようなラインがあったように思います。当時、もっともっと上を目指すようなマインドがあれば、今頃は違っていたかしら…。

 

「りっぱになっていく原則は、身につけた力を、ぎりぎりの高さにまで築き上げていくことです。」(p.91)

 

とおっしゃっていますが、この考えを実行しつつ育ってきた子の才能たるや、恐ろしいだろうと思いました。一つの物事で最骨頂に「極める」ことを習慣化してきた子というのは、どういう分野においても、同じように極めることを目指して繰り返し訓練を積むことができるのではないかと思います。また、「登り詰める」という経験をすることがあらゆる難所に出くわした時の自分自身の支えになるとも思います。

 

成功のために大切なのは「思ったら実行する能力」そして、それをやり抜くための「根気」。自分の行動を省みて、反省するばかりです。

 

この反省を繰り返さないよう、この本を自分自身の生き方、そして子どもと触れ合っていくことにおいての指導書としたいと思いました。
Pocket



2 thoughts on “書評★★★★★『愛に生きる』鈴木鎮一”

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *