時短育児ならBabyful

書評★★★★☆『 幼稚園では遅過ぎる』井深大

書評★★★★☆『 幼稚園では遅過ぎる』井深大
Pocket

ソニーの創業者・井深さんが書いた幼児教育にまつわる本で、そういった類の本を読むのが初めてなら、親としての意識を変えさせられるくらいのインパクトのある本だと思います。

 
 

 

経営者が、どうして幼児教育の本を?というのは、現代の教育制度に対する疑問があったことと、自身が子どものことで悩む親だったからだそうです。

 

もっとやってあげられることがあったのに、そしたらその子の人生が変わっていただろうと後で悔しく思ったという経験から、幼児教育に関心を持つようになられたそうです。

 

これまで遺伝的な要素が強いとされてきた人間の能力や性格が、じつは、0歳から3歳くらいまでの幼児期に大きく形成されることが明らかになってきました。つまり、人間は生まれたときはみな同じで、生まれつきの天才や劣等生などはこの世に存在しないのです。生まれてからの教育しだいで、天才をつくろうと思えばつくれるし、劣等生をつくろうと思えばつくることも可能なのです。
といって、好きなときにいつでも、たとえば大人になってから、天才になろうとしてもなれるというものではありません。生まれてから3歳ぐらいまでのあいだに、人間の能力や性格は、ほとんど決まってしまうのです。ですから、たとえば学校へ行くようになって、できのいい子にとっては何の苦もない問題を、そうでない子はいつも時間をかけ、汗水たらして解かなければならないといった不公平が、いっこうになくならないのです。
問題は、0歳から3歳ころまでの育て方です。幼稚園に入ってからでは遅すぎるのです。(p.19-20)

 

とにかく環境の大切さと、幼児期の重要性を説いた本ですが、鈴木鎮一先生の鈴木メソードを徹底的に分析したというだけあって、本書では鈴木先生のお話が度々登場してきます。

 

モンテッソーリなどの話なども分かりやすく適当な場所で説明が入っているし、全体的にとても読みやすいので、親になってまず最初に読む本としてとてもよいと思います。

 

私自身、とても影響を受けた本で、すごくおすすめする本なのですが、レビューの星を一つ減らした理由は、大切だと語っているところの背景にあるストーリーが井深さんご自身の体験というよりは鈴木先生のものが多いなと思ったためです。ソニーの話であったり、井深さんが設立したという財団法人・幼児開発協会や幼児教室での独自のストーリーをもっと練りこんでもらいたかったな、と。そしたらもっと深みが出るだろうにな、と。ただそれだけです。

 

本書では子どもの脳の発達にも触れており、脳細胞をコンピュータのトランジスター(半導体素子)になぞらえ、『それひとつでは何の役割も果たせないのに、それぞれをつなぐ配線ができてはじめて、電子計算機としての機能を果たすことができる』(p.26)と言い、それらの配線が行われる箇所について『3歳以前が、コンピュータでいうハードウェア、つまり「機械の本体」に相当する部分で、3歳以降は、コンピュータでいうソフトウェア、つまり機械の使い方を教える部分』(p.27)と述べています。さすがソニーの創業者だな、と思えるような分かりやすい例えです。笑

 


ここからは個人的な体験も踏まえた自分の考えを述べたものです。

 


親として、未来に対するビジョンを持つ大切さ

私にはありがたいことに、世界中に母として尊敬する友人が沢山います。その中でも特に尊敬してやまない友人がいます。

 

私自身が出産を直前に控えている頃、第三子の出産を終えたばかりの彼女のお見舞いに入院先の病室を訪問した時のことです。出産で疲れ切っているだろうなと思いきや、目の前にいる新生児や、これから迎える私の子どもの「赤ちゃん時代」の話をすっぽかして、熱く幼稚園の話をしてくれました。

 

この辺 (シリコンバレー) は行きたい幼稚園に必ずしもいけるわけではないし、選択肢が多い分、親の考え方次第だったりもするから、早めに色々とリサーチしたり考えたり動いたほうがいいわよ、「教育ママ万歳‼」との話で盛り上がりました。そして「私は母業は天職だと思う」と自信に満ちた笑顔で話してくれたことに、心から素敵だなと思いました。

 

私もこれらの本で幼児期の可能性の大きさを知ったことで、特に子どもがまだ小さいうちは、彼女と肩を並べられるような笑顔とエネルギーに満ちた教育ママであろうと、自分のあり方を決めました。(もちろん、世間一般にいう「勉強しなさい!」という教育ママではなく、です。)

 

仕事をしていた時に、よく中長期でのロードマップを描く様に指導を受けていましたが、子育てにおいてもそれってすごく重要なことだなと感じています。当たり前のことですが、人間の成長って少しずつの地味なことの積み重ねです。

 

「いつ頃、これができる様になってほしい。こういう風になっていてほしい。だからこの時期にはこういう風に関わってあげよう。今はその土台作りでこういう環境を作ってあげよう」と。

 

「のびのびと育てたいね」「何か一つでいいから得意で一番になれることがあって欲しいよね」と漠然と話をしていた妊娠中の私にはこの意識はありませんでした。それだけでも自分の成長を感じられてちょっと嬉しくなります。

 

子どもは環境次第でいかようにも変化する、となると、まさに井深さんのおっしゃるように「柔軟な頭脳と丈夫な体をもった、明るく素直な性格の子ども」に育って欲しいな、と願うばかりです。
Pocket



Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *