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インタビュー:6万円以上の最先端ハンズフリー搾乳器はやっぱり便利?最新BabyTechを日本のワーキングママが利用。

インタビュー:6万円以上の最先端ハンズフリー搾乳器はやっぱり便利?最新BabyTechを日本のワーキングママが利用。
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この記事をザックリまとめると…
  • アメリカのみ展開中の最先端ハンズフリー搾乳器 (Willow pump) の使用感インタビュー。搾乳のための時間や場所を確保することなく、会社の昼休みに「ランチを食べながら」「自席で」搾乳しているという恵子さん。日本の職場環境でどのように搾乳器を利用しているのか、彼女の昼休み中に搾乳しながらのビデオ電話にて詳しくお伺いした。
  • 搾乳器の利用がメジャーなアメリカと比べ、日本ではまだまだ浸透の余地がある。是非とも日本メーカーにも開発を頑張ってもらいたいところだ。

注目を集めていた最先端ハンズフリー搾乳器を実際に使っている人がいたので、レビューをインタビュー。

今までにBabyful.jpITmediaの記事にて、ベビーテック製品の紹介をしている中で、便利そうだね、画期的、おもしろい、こういうのが自分の育児時代にあればな…とコメントをもらっていたワイヤレス搾乳器のWillow pump

 

バッテリー駆動で、搾乳した母乳を溜めるミルクバッグを本体に内蔵し、授乳用ブラジャーの中にWillow pump本体を入れておくだけで搾乳が可能となるアイテム。授乳中の女性の自由度を増すということで、アメリカでは注目のBabyTechスタートアップのうちの1つです。現在は販売や製品サポートはアメリカのみとなっていますが、日本でこのワイヤレス搾乳器を利用している方がいらっしゃったので、実際の使用感などインタビューさせていただきました。

Willow pump。(写真提供:恵子さん)

 

今回インタビューさせてもらったのは…

静岡県在住の恵子さん。元々、タンパク質の研究に携わっていたが、パートナーの転職による引越しで、現在一般事務職に従事。1年半の不妊治療を経て、2018年冬に第一子を無事に出産。現在8ヶ月となるお子さんの子育てと仕事との両立に奮闘中です。

普段は6時起床、21時就寝。1時間かけて通勤し、現在8時から15時までの時短勤務中。少なくともお子さんが1歳になるまでは母乳育児を続けたいとの考えから、母乳供給量を維持すべく職場復帰1ヶ月前の産後5ヶ月目から搾乳器を利用されています。

 

今後、日本で働く母たちの搾乳事情がよくなるのであれば、とBabyful.jpのインタビューに快諾いただきました。ランチ休憩中に搾乳しながら答えてくださった内容を以下、質疑応答形式にてお送りします。


日本にいながらに海外の最先端搾乳器を利用しているというのはすごくアンテナが高いな、と感じましたが、どのような経緯でWillow pumpを使うことになりましたか?

恵子さん:妊娠する前のことでしたが、2017年にWillow pumpの第1世代が発表されたニュースを見て興味を持ちました。 ワイヤレス&パーツが少ない&アプリ対応、これはいい!と。機会があれば使ってみたいと思いました。

 

やがて妊娠し搾乳器購入を検討する機会が訪れました。妊娠中期の頃Willow pump購入費用を見積ってみると、既存の製品の数倍も高価!また、搾乳口サイズが対象外だったのもあり、一度は諦めました。しかし未練も残っていたのでWillow pumpのメーリングリストに登録だけしておきました。

 

搾乳器購入にあたって個人的に一番心配だったのは、結局お蔵入りになってしまうのではないかということでした。そのために、とにかくお手入れがしやすい、パーツの一番少ない製品が良かったのです。

 

出産して2ヶ月たった頃メーリングリストでWillow pump第2世代が発売されると知り、購入意欲に再び勢いがつき、購入に踏み切りました。一年間職場で気持ちよく使い続けられれば元が取れるだろうと思ったのと、「面白そうなので使ってみたい」という好奇心に負けましたね。

 

ちなみに他の搾乳器にも興味はあったのですが、結局試しそびれました。出産でお世話になった病院や助産院では、搾乳器は出産直後での使用は勧められないということでした。出産後はレンタルするなど積極的に検討する意欲がなくなってしまいました。

必要なパーツも少ない分、手入れも楽。表には電源ボタン、操作ストップボタン、強弱ボタンがあるのみ。裏側は透明なBPAフリー素材で、適切な位置に装着しやすくなっている。胸から外すとミルクの搾乳量が見られるようになっている。(写真提供:恵子さん)

 

「既存の製品の数倍」とのことですが、実際幾らで購入されましたか?

恵子さん:メーカー公式サイトから購入したのですが、発送先はアメリカ国内限定です。そこで購入代行サービスを利用して購入しました。Willow pump 2.0本体が499.99ドル、消耗品のミルクバッグ48枚入りが1袋23.99ドル、同じく消耗品のチューブ(交換用)が2本1セットで29.99ドル。計約600ドルかかりました。それに購入代行からの輸送費として別途支出がありました。ちなみに購入代行サービスを利用したのはこれが初めてです。

Willow pumpにミルクバッグやチューブを装着した様子。(写真提供:恵子さん)

 

 

Willow pumpは毎回搾乳のたびに専用のミルク袋を利用する必要があったかと思いますが、維持費はどのくらいかかりますか?

恵子さん:ミルクバッグは1日2枚使用、平日5日間の利用で月40枚前後となるので、私は1袋分23.99ドルがちょうど約1ヶ月分ですね。

他に消耗品として、チューブを3ヶ月に1回交換するのが推奨されています。私は使い始めて3ヶ月になりますので、そろそろ交換したほうが良いのですが、使っていて特に搾乳量が落ちたという実感はまだありません。

 

では、本題。Willow pump、実際に使用されてみて、どうですか?ちなみに私も今別のハンズフリー搾乳器を利用していますが、手が空くのは嬉しいものの、胸のサイズがすごいことになって恥ずかしいです。笑

恵子さん:胸が大きくなりますよね、これ(笑)。自分らしい『自然なシルエット』とは言い難いし、正直戸惑います。あ、他の搾乳器のようにポンプと瓶を胸からぶら下げているのに比べれば自然なのかも。

 

(参考:搾乳器をハンズフリーで使うための下着。アメリカのAmazonではこのような下着が沢山売られていて、レビューも驚くほど多い。)

 

ただ、見た目に難ありとは言え、搾乳中に動き回れるのがやはり素晴らしい!私は職場で搾乳し、家で子に飲ませる流れが習慣として定着しました。私の職場環境では、Willow pumpでなければ搾乳をすることは厳しかったと思います。

 

また、搾乳口サイズが本来自分に合うのは21mmのを使うべきなのですが、Willow pumpは24mmか27mmの2択しかなく、サイズが対象外だったんです。24mmで利用していますが、十分な量を搾乳できていますので買ってよかったです。(※ 参考:medelaより「『さく乳口のサイズ選び』)

 

どのように搾乳器を利用していますか?他の搾乳器と併用していますか?

恵子さん:私が利用している搾乳器はWillow pumpのみです。育児休暇中は母乳がメインでしたので職場復帰一ヶ月前の生後5ヶ月時点で哺乳瓶での授乳に慣れてもらう為に搾乳を開始しました。この時は1ヶ月間毎日、日中に家で2-3回両胸に使用しました。

生後6か月以降は、1日1回、職場のお昼休憩中に使用しています。給湯室兼更衣室で、両胸に装着し、デスクの椅子に座ってお弁当を食べながら20分ほど使用しています。

 

搾乳器の利用方法を具体的にお伺いさせて下さい。

恵子さん:搾乳する際の服装は、制服のシャツとユニクロのワイヤレスブラキャミです。シャツのボタンは閉められません!上からユニクロのUVカットパーカを羽織って隠しています。

Willow pumpを使って搾乳をする際のスタイル。恵子さんと電話インタビューをさせていただいた際もWillow pumpを起動中だった。

 

動作音の大きさは会話をしていてもあまり気にならないくらいですね。職場は私以外の従業員が2人で、60代男性2人には予めお断りして使っていますが、「あっそう」くらいのフランクな反応でした。

 

私の職場環境を考えると、通常の搾乳器を利用していたら、搾乳できる場所を探して彷徨う「搾乳難民」になっていたかもしれません。トイレも和式でスペースがないし、更衣室も給湯室兼用なので、昼休み中に一人で占有してしまうと他の方へ迷惑がかかってしまいます。Willow pumpを使うことで、ずいぶん融通が利く搾乳ができていると思います。

 

Willow pumpは職場に置きっ放しですか?

恵子さん:いえ、毎日持ち帰ってますね。家で充電と洗浄して、毎朝職場に持参しています。

職場では、搾乳後にスプレータイプの洗剤を拭き付けて、ロッカーに一時的にしまっておき、家に持ち帰って洗浄しています。搾乳した母乳は給湯室の冷蔵庫に保存しておき、保冷袋に入れて持ち帰り、夕方に温めなおして哺乳瓶で与えます。離乳食のライスシリアルのおかゆを作るときにも使います。本体は家で充電します。ちなみにアメリカの製品ですが、そのまま家でコンセントに挿して充電できていますよ。

 

恵子さん流の持ち帰りスタイル。洗浄が必要なパーツはスプレーをかけて容器に入れて持ち帰り、家の食洗機で洗浄する。 (写真提供:恵子さん)

 

そもそも日本では「搾乳」という単語をあまり耳にしないような気もしますが、どうですか?

恵子さん:そうですね、私自身、出産グッズをやりとりした親戚や友人達とは搾乳器が話題に昇りませんでしたね。なので、私は搾乳に関する情報はネットなどで収集しました。

ちなみに保健センターの保健士さんに職場復帰の話をした際にも、「昼間授乳しなくても最初の数日は胸が張るけど、徐々に体が慣れて、日中は胸があまり張らなくなるから大丈夫ですよ」と言われました。ただ、そのまま母乳の供給量が維持できるという保証がないので、私は日中も搾乳しておいて母乳の供給量を維持するという方法を取りました。

 

直接母乳での授乳・搾乳・ミルク。どのように使い分けていますか?

恵子さん:現在、我が子を預けている保育園が冷凍母乳は一切NGなので、平日保育園にいる時間帯はミルクを飲ませてもらっています。その他の時間帯は下記のようなスケジュールで対応しています。

 

  • 朝6時前に直接授乳
  • 12時に会社の休憩時間中に搾乳
  • 16時に帰宅後、家で直接授乳
  • 17時頃、搾乳したミルクを利用して離乳食をあげる
  • 18-19時に直接授乳するか、搾乳したミルクを与える
  • 以降、夜中に起きた場合にも1-2回、直接授乳

 

今は搾乳は一日一回会社で対応するのみですが、両胸で大体200ml程度搾乳しています。保育園に冷凍母乳を持っていって、完全母乳で育てるのが理想でしたが、それは無理なので、できる限りで対応しています。

 

Natsumi : 週末は搾乳はしていませんか?夜や週末、旦那さんに搾乳しておいたミルクを与えてもらえるとだいぶ楽になりますよ。

 

恵子さん:週末は基本的に直接授乳ですね。そうですね、今は夜の授乳は私が担当しているのですが、旦那にやってもらえると身体も休まりそうですよね。ちょっと相談してみます!

 

不満はありますか?

恵子さん:iOSアプリが利用できていないことですね。iOSアカウントがアメリカのものでないと使用できないことは誤算でした。(注:Willow pump自体、現時点ではアメリカのみで展開している製品です。)

 

あとは搾乳器の吸着 (ラッチオン) が上手くいかないまま動作してしまう場合がたまにあります。通常は搾乳開始から10分も経てばミルクバッグに母乳が溜まっているのが側面から確認できるはずなのですが、上手くいかない場合はバッグが空です。その時点でミルクバッグにある程度空気が入ってしまっているので、再度搾乳してもあまり入らず、約50円もするミルクバッグを1枚無駄にして入れ替える羽目になり、がっかりします。

 

また、さほど気になるわけではないですが、胸からWillow pumpを外す時に漏れることがあります。また、機械からミルクバッグを外す時にも少しロスがありますね。

 

あ、あと、出っ張りがなく丸いフォームというのは落としやすいという側面もあります。幸いにも問題なく動いていますが、一度落としてしまって壊れていないかとても心配でした。

チャージの様子。凹凸のないシンプルな作りが災いして、落としやすいのが難点だという。(写真提供:恵子さん)

 

 

他にも育児で利用されているテクノロジーがあればお伺いしたいです。

恵子さん:Babyful.jpで紹介していた『育児ノート』というアプリを利用しています。音声入力に対応するようになって、さらに便利になりましたね。おむつ替えの記録を「Hey Siri, 〇んち!」、授乳を「Hey Siri, 左側」などと呼び掛けています。

 

Natsumi: おー!!私、音声入力対応には気づいてませんでした!早速私も音声コマンドの登録してみました!育児にハンズフリーはすごい助かりますよね!

 

インタビューを終えて

今回のケースでは恵子さんご自身がWillow pumpを利用したことで、搾乳しつつの母乳育児を無理なく続けられていらっしゃいます。極端な考え方をすると、もしハンズフリー搾乳器を利用していなかった場合には、職場での搾乳が難しくて、母乳の分泌量の減少などにより希望よりも早めに母乳育児を諦める可能性もあったかもしれません。

 

アメリカでは、授乳中の母社員が就業時間中に搾乳するための「トイレ以外での搾乳専用の場所」と「搾乳のための時間」を設けることが法律で定められています。この法律が適応されるのは、50人以上の規模の会社ですが、日本の会社も、授乳中の子どもを抱える母社員の需要があればしっかりと搾乳できる環境を整えてあげることも大事だなと改めて考えさせられました。

 

日本は搾乳器に関してはアメリカにだいぶ遅れを取っている状況です。電気を一切使わず手動で搾乳するアイテムが売れ筋としてマーケットに存在しているというのに驚きます。実際、乳腺炎になるのが癖になっていた方で、このハンド搾乳器を頻繁に利用することで乳腺炎予防をしていたら、なんと腱鞘炎になってしまったという方にも出会いました。

 

日本でも、搾乳器がもっと身近になって、専業で子育てしている方や働きながらに子育てしている方が母乳で子育てをすることがもっと楽になるといいですね!手動で搾乳する搾乳器が売り上げトップにあるような状況では、実質的に搾乳を日々のルーティーンに取り入れるのは難しいと思います。Willow pumpのようなアイテム作り、是非日本のベビー用品メーカーさんには頑張って貰いたいです。

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